誰が勇者を殺したか

挑戦

小説に触れたのは久しぶり。

最近よく会う人におすすめされたので読んでみました。

誰かのおすすめを読むのも久しぶり。

新鮮でした。

せっかくなので、考えたことを言葉にしてみます。

おすすめしてくれてありがとう☺️

勇者は魔王を倒した。

この物語は勇者と共に魔王に向かっていくものではありません。

勇者が魔王を倒したところがスタート。

何が問題とされているか

勇者の人物像についてです。

こんな人だったとのインタビューが章ごとに記載されています。

読書感想文を書くときに一番面白く無いなと思うのが

書いてあったことをそのまま書くこと。

なので、あらすじはここまで。

勇者であり続けた人

前半は勇者の成長ログ

偉大な勇者の奮闘記

回復魔法が使えて、

攻撃魔法が使える、

へーすごい。

すごい人だったんだー。

この時点での私の評価は

「勇者」が「攻撃魔法と回復魔法」を使える

ことへの賞賛です。

どんな気持ちで

どんな覚悟で血の滲むような努力をしたかはわからないから

それについての評価はまだしていません。

「攻撃魔法と回復魔法」を使えるから勇者になったんだ。

これを見るとめちゃ優秀な人っぽいですね。

勇者の評価

私たちは名前で評価することが多いにあります。

私の周りで言うと

学歴評価、受賞歴評価、行動歴評価…

確かにわかりやすく「すごい」です。

実績は過去の努力の成果。

一つのことに一生懸命になれたり、

戦略を立てて努力することで実績を積み重ねることができたり、

その能力は誰にも取られることはない財産です。

一方で、過信する必要もないと思っています。

全く別の領域ならできなくてもいいし、

怖くなってもいい。

実績の裏に隠された繊細な心の変化

「怖い」という感情を見ないふりする必要はないと思います。

ただ、実績の評価があまりにわかりやすく、共通事項で話題にしやすい。

会話のネタとして誰でも使いやすい万能アイテムが故に

とびきり期待されている人もいそうだと思います。

私自身も、実績で評価することは往々にしてあります。

まあ、事実だしね。

じゃあ、何が、そうたらしめたのか。

そんなに人を突き動かした根源は何か。

そこまで話す機会ってなかなかないよなとも同時に思いました。

勇者の凡人

ある人が言った

「あの人は大したことないよ」に救われることがあります。

誰かの記憶は目に見えなくて、

唯一切り取られた絵画や史書は上書き保存ができます。

思い込みってどんどん絡まって、

最終的に誰が誰だかわかんなくなっちゃう。

おんなじ絵なのに、言葉なのに、誰のことを指すか変わっちゃう。

その後に言うんです。

「あの人は大したことないよ」って。

上書き保存が重なり、凡人になっていきます。

勇者を勇者と言った

この物語のキーポイント

勇者が勇者である象を明確に思い描き続き、

上書き保存を重ねたことにあります。

なかなか、独特な表現になってしまいましたね。

もう少し、崩すと、

誰かの思い込み、不可視化領域の曖昧さを使って

勇者を勇者たらしめる能力の高さを得ることによって

勇者と思い込ませた。

「勇者が魔王を倒した。」この事実のみを残して、

それ以外を誰かの曖昧さに任せたことで

物語の良さが引き立っています。

強烈な長所

理想を思いえがき、事実にする

なぜ、できたのか。

主人公の強烈な長所は何か。

「僕は勇者にならなければならない」

理想を思い描き続け変えなかった。

勇者になると言い続け、長い年月をかけて、周りも認めさせた。

最初の能力なんか関係なく、理想を現実にした。

なんだって、言い続ければなれるんですよ。

その期間と能力の比例が合えば、やがて現実の点を通ります。

願ったことを

現実になるまでやれば叶ってます。

ここまで読んで、

これまでの歴史上の偉人について考えたくなりました。

伊能忠敬、勝海舟、平塚らいてう

ココ・シャネル、トーマス・エジゾン、ジャンヌ・ダルク

いずれかの人物の明日が見えない日の感情を想像できるか。

手の震えが止まらない日を想像できるか。

絶望で眠れない夜を想像できるか。

名前を聞いて想像するのは功績であって、

努力量や揺れ動く感情にまで思いを馳せることは少ない。

何となく、スムーズに成功したような

そんな気すらしちゃいます。

実際のところ分かりませんが、きっと

環境の変化、感情の変化、周りの変化、

反対、賛成、拒絶、歓迎。

今の私たちと同じように荒波の中で最善の選択をしていったのだと思います。

だから、勇者と同じように功績を残し、

その実情が人々の理想を付け加えながら上書き保存されて今に至る。

そんな気がします。

勇者の宣言

結局のところ、

相応の努力で現実にした。という話の裏側を覗いた気がします。

これが、他人事に思えない。

私は、昨年の9月に夢の宣言をしました。

20人弱の仲間の前で、夢を語ったことがあります。

今月末、やっと現実になります。スタート台に立ちます。

宣言って超こわい。

こわいです。

何も言ってないのに逃げたくなるくらい、

誰も覚えてないのに消えたくなるくらい。

でも言い続ければ、なれる気がする。

言葉にはそんな力もあります。

おすすめ本

ポンと送られてきた本から

こんなに考えられるなんて思っていなかった。

楽しかったです。

おすすめしてくれた方がどんな気持ちで向き合っているのかなと

想像しながら読むのも楽しかったです。

勇者になろう。

言葉の中の怖がりな気持ちに触れたような気がしました。

また会おうね。

ではまたー

コメント

  1. Art より:

    有言、最高にかっこいいじゃん。

    勇者は不可能を可能にする人間のはずだから
    最後まで諦めずに立ち向かえ
    俺もそれに倣うとする
    また会おうね。

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