どうしようもなくドキドキする

物語の中を泳ぎました。

読了後の体感は水泳に近いと思っている。

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

町田そのこさんの

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集

デビュー作なんだって。

まさしく没頭体験でした。

どこよりも熱く魅力を語っております。

ここにはないもの

短編集が5つ。

ここにはないものを求める人、ここにあるもので満たされようとする人

なんでこんなにもドキドキするんだろう。

感動よりも繊細で
日常よりも悪戯な物語。


きっと同じ世界の一部だと思えるような現実味を浴びて

物語を泳いできました。

主人公と同じように迷って悩んで怖がったような気分です。

物語の魅力

せっかくなので、あらすじに触れずに

物語について伝えていこうと思います。

日常の冒険

物語を読んでいて引き込まれるのは

共感する瞬間だと思う。

その感情、知ってる

この気付きのたびに深く潜れる気がする。

だから、自分の体験をもう一度味わったような

そんな感覚になる。

読書体験の良さはここだよな。

冒険って当たり前に日常に潜んでいると思う。

特別な日々かどうかは後になって気づく。

高校生のとき、日常が、部活が、こんなに大切な思い出になるとは思っていなかった。

必死だったから。

毎日、感情の荒波に飲まれて、タスクをこなしていたけど、あれはもう、「冒険」だったよ。

思い出して、味わい続ける大切な時間だよ。

そんな中でも、どきりとする瞬間はある

つかみどころがない同級生の言葉に

隠しきれていない後ろめたさに

沸点のわからない感情に

喜怒哀楽では表せない何かが出てきて

それでも必死に対処していたと思う。

沈黙なのか、口論なのか、

逃避なのか、没入なのか

思っていたのと違うって言って

閉じることのできない物語だから

次のページの言葉を作り出すしかない。

誰かが代わりに作ってくれたら楽なのにね。

「涙を流した」のが目に見えていたのか

見えていないのか、

見せていなかったのか。

迷ってばっかりで、逃げてばっかりだったけど

ドキドキしながら

怪獣みたいな感情に立ち向かったこともあった。

まるで、勇者。

もう冒険って言っていいと思う。

でも、結果は同じで、

毎朝同じ鐘がなって

気まずい空気を流しながら

目くばせしながら気持ちを探って

「実は…」から始まる別の作者の物語を聞いて

悩みすぎだったと気づく。

これ何回もやってるけど、

本人は気づかないんだよね。

そんな日常の冒険を切り取ったお話が5つも入ってます。

共感しまくりだし。わかるって思いながらも繰り返しちゃうんだよね。

心がざわつく瞬間

もう日常の一部になったSNS。

「知らなかった」もエンタメを構成する大事な要素

溢れるような魅力的な情報を

日常として捉えてどんどん忘れていく日々。

そんな中で、

「あっ」と思う瞬間がある

正確にはそんなこと思っていないけど、意識がそっちに向く瞬間。

大切な友達が環境を変える瞬間、

一緒に冒険するんじゃないかって思うくらい

「がんばれ」って思う。

風の噂がこんな風に進化するなんて

町中が遊び場だった頃には思っていなかった。

私の世界はせいぜい公園と学校くらいだったな。

ただ、「知っている」と「知らない」を外から確認できないのはずっと変わらない

「いいね」も「閲覧者」も曖昧な報告と同じ

指を止めなかったら、無関心との違いってそんなにないのかもって思う。

だから、

知っていると思ってた

知らないことを知らなかった

ってなるんだろうな。

そんな食い違いも

物語に惹き込まれる重要ポイントだと思う。

どこか飛び出したくなる

旅行ってなんで惹かれるんだろう

ふと考えた時に出てきたのが臆病な自分

ほんとはどこかに行きたいし

変わりたいって思っているし

人間関係を変えた方がいいと思うし

一人で悶々と悩んでいても違うってわかってる。

でも、

ファーストペンギンにいくら憧れてても

群れの真ん中で歩きたい時もある。

それも大事な役割だし

飛び込むだけが成功じゃないし

安定だって宝物だ。

いろんな言葉に支えてもらって

ここに残る選択をする。

でも、時々、外の世界を知る

自分の心よりちょっと大きい刺激に囲まれて

心地よい帰りたくなさに浸って

いつも通りの速さの時計と睨めっこするから

特別な体験になる。

旅って、旅行ってそんなもの。

読書も一緒。

ここにいる選択をした主人公を

ただ責め立てること、

物語を書き換えることはできなくて

それも素敵な勇気ある選択だって

納得できちゃう。

飛び込むだけが勇気じゃない

日常だって葛藤の中に選ばれている

そんな支えをもらえるお話も入ってます。

選び続けること

人生の分岐点ってどこだったかな。

きっと考え始めればキリがない

そういえば…から始まる

信号が青だったから進んでみた昼間のお散歩みたいなきっかけに肩透かしを食らうこともある。

思い返してみれば自分だってそうなのに

いざ言葉にすると

自分でもびっくりすることもある。

でも、

日にちは思い出せなくても

あの時、あの場面、あの一瞬が出ていかないこともある

覚えていたい宝物は掬いきれないのに

なんでもない一瞬が離れなくなる。

別の物語から見ると

流れに逆らい続ける言葉を

渡しているかもしれないんだよね。

やりとりの中で、どちらの視点に経っても

知らんぷりができなくて

一緒に葛藤しちゃう。

選び続けた結果

今を作っているし

今が選ばれてきたはずなのにね。

わかっているはずなのに、

毎日の選択を悩み続けることはできなくて、

想像できる未来も

できない未来も

自分で作っているはずなのに

自覚がなくなることもある。

そんな風に一緒に迷えるから

また読みたくなる物語になるのかもしれない。

ちょっと変わった読書ログ

ここまで書いてみて

私、こんなに小説好きだったんだなって気付いた。

あらすじの解説に触れずに

読みながら味わった感情について綴ってみた。

独特な読書記録だけど。

町田そのこさん

大好きです。

物語が華麗であるからこそ

そこをきっかけに思い出が降ってくる

止まらないからこそ、

浴びてみて心地いい雨だったか

べっとりと張り付くような雨だったか気づく。

私はそこに

どうしようもなくドキドキしちゃう

ひと作品にこんなに熱くなっちゃう

感情的なところ

もう少し好きになれたらいいなって思います。

町田そのこさんのまだ読んでいない作品もあって

気ままに読んで綴っていこうかなと思います。

ぜひ、最寄りの図書館でも

ブックオフでも

本屋でも

みてみてください。

だんだん語り出したら止まらない性格が露見してきた。

言語化の練習として

ブログを書いていたのに。

自分についてだんだん明らかになっていく様を

自分でも面白がれたらいいなと思います。

ではまたー!

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